転職での希望年収の伝え方&高条件期待できるケースとできないケース

転職ノウハウ

希望年収とは

希望年収とは、転職先の企業に対して、自分が希望する入社初年度(1年間)の年収額のことを言います。ここで言う”年収”の中には、各種手当てや賞与なども含まれることになり、”全てをひっくるめていくら欲しいのか”を伝える事になります。

企業から年収が提示された場合には、賞与やインセンティブといった”成果に連動する報酬”が年収全体に対してどれくらいの比率を締めているのかを確認することをお勧めします。

賞与やインセンティブは、会社や個人の業績によってその金額が大きく変わる可能性があるため、その比率が大きいと、条件交渉時に提示された年収と、実際に支給される年収に大きな差ができる可能性があります。

面接での希望年収の伝え方

転職において、年収の条件交渉は重要です。誰しもが年収を下げたくは無いですし、現状維持、もしくは多少でも年収UPすることを望むのではないでしょうか。

面接を見事通過し、内定をもらうタイミングで年収の交渉に入るのですが、よく聞く悩みは、「どう伝えて良いのかわからない」、「年収を下げないためにはどうすればいいの?」といったことです。

あまり高い条件を要求して、内定が取り消されるのも不安だし、かと言って提示される条件が低い場合は、きちんと希望額を提示して、少しでも年収を上げたいですよね。では、どのように交渉をすればよいのか、その伝え方をご紹介します。

その①現状維持

前職と同じ年収を希望する場合、金額にもよるのですが、前提として業界や職種を変えていないことが重要です。未経験での転職となると、当然前職での収入を維持するのは難しくなります。

では伝え方ですが、多くの場合、最終面接で「条件面の希望はありますか?」と聞かれることになると思うのですが、その際に「前職の給与を維持する事を希望します。」と普通に伝えて問題ないと思われます。

また、重要な点として、「今在籍している会社に対して、まだ退職を申し出ていない」とうい前提があると尚良いと思います。「転職はしたいけど、条件が下がるのであれば無理に転職する気は無く、希望条件が叶えば転職する」という状態であれば、現状維持を希望するのは妥当な条件だと思います。

その②規定に従う

どうしてもいきたい会社がある場合に、この方法は有効です。「規定に従う」というのは、「そちら(企業)が提示される金額でいいですよ」という表現であり、こちら(転職者側)の希望を主張しないということです。

つまり、「年収以上に、御社で働ける事が重要です」ともとれるわけです。もし、今の会社での給与が著しく低い場合は、いずれにせよ大きく年収が下がることは無いので、このような伝え方をすると印象が良いと思います。

その③現状以上

現状以上の年収を求める場合は、現在いくらもらっているのか、またどれだけの年収アップを望んでいるのかにもよって難易度が異なります。ただ、この場合も現状維持の時と同様に、「希望の条件が叶わないのであれば、無理に転職はしない」という状況であることが望ましいです。

もし、今の会社に既に退職を申し出ていたり、既に退職済みの場合などは、「とは言え仕事が決まらないとこまるでしょ?」と足元を見られてしまう可能性もあります。

また、現状以上の年収を求める場合、”何故年収を上げたいのかという理由”が重要になります。現状の年収があまりにも低い場合は別ですが、なんの根拠もなく「今より給料が上がるならその会社にいきます」と露骨にお金をだけを求めても、企業からの評価を下げる可能性の方が高いと思います。

もし年収を上げるのであれば、直接的に”お金”を求めるのではなく、”より大きな役割”を求める方が、企業の理解も得やすく、またその役割に見合った報酬が提示される可能性が高くなります。

たとえば、「現在が課長として現場のマネジメントをしているが、より経営層に近いポジションで、事業を任される役割(部長や事業部長など)を担いたい」などです。

年収アップは、現在の給与が低いのか、高いのかによって、伝え方は大きく異ります。既に高い報酬をもらっている人がより高い報酬を貰いたい場合は、それに見合った役割や責任を背負う必要があります。求めるのは「お金」ではなく、「責任」というわけです。

その④転職エージェントに頑張ってもらう

もし、自分で交渉するのが苦手という人は、転職エージェントに代理で給与交渉してもらうのもお勧めです。内定が出て条件交渉に入った段階で、自分の希望をエージェントに伝え、企業と交渉をしてもらうのです。

当事者同士(転職者と企業)だと、ホンネをさらけ出すのは難しいですが、第三者であるエージェントであれば、ホンネを伝えた上でうまく取り持ってもらうことも可能です。例えば、

  • ・現在選考中の他の会社の面接結果が出てから具体的な条件提示をしたい。
  • ・他の会社がより高い条件を出しているので、できればそれと同じ条件にしてほしい
  • ・年収が後50万高ければ即決できるので、その可能性を確認してほしい

などです。これらは完全に転職者の自己都合なので、自分から言うのは気が引けますが、転職エージェントからであればうまく伝えてくれます。また、自分の主張に対して、言うべきか言わないべきかのアドバイスをくれる場合もあり、(「その希望はまず通らないと思うし、印象を悪くする可能性がありますよ」とか、「可能性があるので、確認してみましょう」など)デリケートな交渉が得意ではない人にとっては強い見方になってくれるはずです。

※注意点として、転職エージェント経由で応募した企業でないと、交渉を依頼することはできません。企業のホームページや求人サイトなどから応募した場合は交渉を依頼することはできません。

その⑥他の会社の条件を伝える

希望の条件と、自分の市場価値というのは必ずしも一致するわけではありません。自分の希望年収は当然自分が決めるものですが、市場価値というのは企業が決めるものです。ときには市場価値が希望年収を下回る場合もありますが、逆に上回ることもあります。

もし、他の企業から自分が納得できる金額を提示されている場合は、それを企業に伝えるのも1つの方法です。他社の金額を伝えた上で、「他社(B社)からはこのような条件がでているので、その条件を基準に考えています」と伝えるわけです。

また、もしその企業が本命である場合は、他社の条件を伝えた上で、「この条件を上回る場合は即決で御社(A社)に決めたいと思います」と伝えることもありだと思います。

これは、実際に転職をお手伝いする中で実際にあったケースですが、面接の結果、A社からとても評価の高い転職者がいたのですが、最終的に他の会社に決定してしまい、理由は「他の会社の方が少し条件が良かったから」でした。

その条件を聞いたところ、A社でも提示できる範囲の条件だったのです。転職者の第一志望はA社だったのですが、条件の良さから第二志望の他の会社に行ってしまったのです。もし事前にその情報を聞けていれば、A社は希望に合った条件を呈示して、その転職者も第一希望のA社に決めていたかもしれません。

このような「言ってくれればいいのに!」な事もあるので、他社の条件を引き合いに出して、条件交渉することも、時には有効な方法です。

高い希望年収を期待できない場合

年収は高ければ高いに越したことはないのですが、それも限度を超えると、なかなか転職先が決まらなくなります。仕事の無い期間が続けば生活は困窮して本末転倒となるので注意が必要です。

では、高い条件を希望しないほうが良い場合を幾つかご紹介します。以下に該当する場合は、あまり高望みせず、まずは内定を獲得する事を優先することをお勧めします。

その①未経験入社の場合

それまでに経験の無い業界や職種に転職する場合は、”未経験”ということになります。未経験の場合は高い年収を希望しても、それが叶う可能性は低いでしょう。

その業界に関する知識や経験も無ければ、職種に関する技術や実績も無いわけですから、企業側からしても、特に評価できるポイントはなく、”今後の可能性を見込んでの採用”となるわけです。

また、未経験の場合、何と比較されるのかで言えば、新卒と比較されることになります。0からのスタートと言う意味では新卒と同じなのです。新卒の年収といえば年収300万未満が相場だとすると、同じくらいの金額であればそれまでの社会人経験を考慮しても有りなのですが、これがプラス100万円ほしいとなると、「だったら優秀な新卒を採用した方がいいね」となってしまいます。

未経験での転職をする場合、その会社の新卒の初任給を調べた上で、同等か多少高い程度の年収は覚悟したほうが良いかもしれません。

その②希望年収を聞かれなかった場合

もし最終面接で希望条件を聞かれなかった場合は、そもそも交渉の余地は無いかもしれません。企業によっては、年収の条件提示で交渉はせずに、”一方的に条件を提示するのみ”というポリシーの会社もあります。

私の経験上、ある程度の規模の会社で大量採用を行う場合は、この方針をとる場合が多いと思います。この場合、他にも多くの候補者がいるので、もし提示された条件で納得できないのであれば、よそに行ってもらっても構わないという強気スタンスになります。その条件を受け入れるか、入社を諦めるかの2択になります。

その③絶対その会社の内定が欲しい場合

転職では、年収ばかりが目的ではなく、文化や事業領域、サービスなどに惹かれてその企業を希望することも多いと思います。もし、そのような魅力ある会社に入社できるチャンスがある場合は、条件面での希望をあまり主張しないほうが良いかもしれません。

私の経験と、過去に見てきた転職者の傾向から、自分がやりがいをもって働ける環境というのはどこにでもあるわけではありません。もしそういった企業と出会えるのであればそれ自体が貴重です。

また、年収を優先して、働く環境としての納得度を無視した転職をすると、入社後にあまり良い成果が期待できない傾向にあります。いつもどこかに不満や疑問を抱えながらでは、能力の高い人でも優れたパフォーマンスを発揮するのは難しいようで、結局すぐにまた転職してしまうことも多いです。

逆に、モチベーション高く働けている人は、安定的に高い成果を出し、評価は上がっていきます。年収は基本的にはその人の市場価値を反映したものですから、特に20代の若い人材の場合は、焦って年収を求めるのではなく、自分自身への投資すると思って、”成長できる環境であること”最優先にして会社を選ぶこともおすすめです。

高い年収を期待できる場合

逆に、高い条件を提示しやすい場合というのもあります。ではどんな場合にそれが可能なのかをご説明します。

採用難易度の高い職種

2020年時点で言えば、やはりエンジニアは職種的に市場価値が高く、人材の売り手市場でもあるため、高い条件を希望しても採用されやすいと言えます。

サービスからマーケティング、社内インフラなど、様々なところにITインフラが行き届き、もはやデジタルを無視しては会社経営は成り立たない状況にあるため、それを担うエンジニアの需要は常に高いと言えます。

また、エンジニアが足りないことでの事業損失は大きく、そのためある程度の条件を主張されたとしても企業は採用しなければならない状況なのです。

採用難易度の高い役職

特に、営業職やマーケティング職、企画職などにおけるマジネージャーを任せられる人材は、引く手が多い状況と言えます。

多くの企業で重要視されるのが売上であり、売上を拡大できるのかが事業の存続に関わってきます。それらを担うのが営業、マーケティング、企画職です。

また、例えば、いちプレイヤーとして売上を作れる営業というのではなく、管理職として組織マネジメントできることが重要です。

数人の営業組織でも、年間数億円。数十人であれば年間数億〜数十億。100人を越えれば数百億という経済インパクトがあるんことを考えると、それをまとめることのできるマネージャーであれば年収1000万円やそれ以上の条件を出してでも、会社は十分元がとれます。

また、これらの能力や経験、実績がある人材というのはやはりかなり少ないのが現状なので、企業としてはある程度条件を出してでも獲得したいのです。

好景気の時

好景気の場合は、企業は積極的に投資しようとします。そして、多くの企業が投資する先として、人材獲得があります。逆に景気が落ち込むとその影響がでるのも採用や給与です。

景気は数年刻みで上下しますが、自分が転職しようとしている今、景気が良いのか悪いのかは非常に重要です。また、景気と同時に転職者にとって重要なのは求人倍率です。

景気が上がれば、採用する企業の数が転職者の数に対して多くなり、一人の転職者に対する求人が多くなります。 ※求人倍率とは、「企業の出す求人枠÷転職したい求職者数」

こうなると、求人市場の原理としては、給与やそれ以外にも様々なメリットを求職者に提示して、自社を選んでもらうという流れになります。また、A社が500万の年収を提示するならB社は550万円、C社は580万円と、オークションの原理で条件が上がっていくため、年収を上げやすい状況と言えます。